主婦がジャケ買いしてみたら
#0014
このアルバムにはちょっとした思い出があって。当時子供たちを連れず夫婦二人で何年ぶりかに街中にゆっくり買い物に出た時のこと。
あいにくの雨だったが美味しいランチなど楽しんだ後に、しばし退屈な時間を楽しんでいただくべく連れ立ってオープンまもないdisk UNION のメタル館へ足を運んだ。オープニングセールということで輸入盤5枚おまとめセールをやっていたので、どうせなら1枚ジャケ買いをニョボにさせてみることに。
「ええぇ〜⁉」と怯む女房だが「大丈夫、大丈夫!フィーリングよフィーリング!」(適当)と強引にやらせてみる。どうやら”ジャケ買い”ってものが主婦的にはおよそ理解できないらしい。
かと言って、ゴリゴリのブラックメタルを選んでしまって、あとでがっかりされても困るので、普段隣で聴いていて、これは好きかも~とか云っていたバンドが比較的ゴシック系に多かった気がしたので、そのあたりのバンドが並ぶ棚の前に連れていく。
あれこれ悩んだ挙げ句、意を決して手にした一枚がこれだった。
ブックオフオンライン TRAIL OF TEARS – Bloodstained Enduranceノルウェー産の男女ツインヴォーカル編成 TRAIL OF TEARS の 6th『Bloodstained Endurance』だ。
前作リリース後にメンバーのうち殆ど(男性テナーヴォーカル,ギター,ベース,ドラム)が脱退し空中分解の危機に瀕していたバンドだが、Ronny Thorsenは一時期バンドを離れていた女性ヴォーカルの Catherine Paulsen を呼び戻して新たなバンドメンバーと共にこのアルバムを製作している。
アルバムジャケットのバンドロゴもキャサリン・ポールセンが在籍していた3rdアルバムで使用されていたロゴに戻されていて新バンドに賭ける意気込みを感じる。
男女ツインヴォーカルのゴシック系というのは当時流行りのスタイルだったので、やや食傷気味でどうかなと思いきやこれがなかなか良かった。女性ヴォーカルを擁するシンフォニック・ゴシックという分類にはなるが、キャサリンは決してソプラノ声域ではなく力強い声域でしっかり芯のある唱法だし、男性ヴォーカルパートではイエテボリ風のメロディック・デスメタル要素やパワーメタルに近いリフなどが結構色濃く出ていてアルバム構成にもメリハリをつけている。
アルバムタイトルのM-3は途中にバイオリン(ビオラかも)ソロを交えながらもどっしりとした曲調で展開しており典型的なゴシックメタルとは一線を画す。M-8 “The Desperation Corridors” は勇壮なリフにドラムを絡めつつ曲中テンポを巧みに変えながら男女ツインヴォーカルのポテンシャルを十分に聴かせてくれるナンバーだ。
聴いてる横でニョボはさして気にはしてなかったが何も云わないということは、まんざらでもないんだろうなと思っている(笑)
Origins : | Norway |
Released : | 2009. 5. 27 |
Label : | Napalm Records |
Producer : | Terje Refsnes and Trail of Tears |