NWOBHM地獄の番犬
#0015
1979年つまり70年代が終わろうとしてた頃、THE CLASHが『London Calling』を発表しロンドンのパンクムーブメントが頂点に達しつつあったが、その一方でピストルズの解散から早くも陰りが見え始めていた。そして’80年代の幕開けにクロスオーバーするように出現したのがパンク/ニューウェーブムーブメントからハードロック潮流への回帰として勃興したNWOBHMと云われている。
同じ頃、パンクバンドThe Damnedを脱退した Algy Ward(Bass)を中心に結成されたスリーピースバンドがTANKだった。
Motörhead が同じスリーピースバンドでベースのレミーがヴォーカルを取るスタイルだったこともあってか、日本の音楽市場でTANKは彼等の弟分という形でプロモーションされることが多く(ちなみに妹分はGirlschool)実際にこのデビューアルバムのプロデュースをMotörheadのギタリスト ‘Fast’ Eddie Clark が請け負うなど彼等の支援を受けていたのだろう。
HMV&BOOKS online TANK – Filth Hounds of Hades(輸入盤)管理人も当時発刊されていた『ミュージックライフ』誌に掲載された広告でMotörheadが好きなら気に入るのだろうとそのプロモーションに誘われてこのアルバムをレンタルレコード屋で手にした記憶がある(このアナログ盤をこのとき買っておくべきだったと後悔)
Side-A. | |
M-1. | Shellshock |
M-2. | Struck by Lightning |
M-3. | Run like Hell |
M-4. | Blood, Guts, and Beer |
M-5. | That What Dreams Are Made Of |
Side-B. | |
M-6. | Turn Your Head Around |
M-7. | Heavy Artillery |
M-8. | Who Needs Love Songs |
M-9. | Filth Hounds of Hades |
M-10. | (He Fell in Love with a) Stormtrooper |
管理人はその後ボーナストラックてんこ盛りのデジパックCDをEU盤で購入して所蔵している。
そして結果として、この『Filth Hounds of Hades』は、そのアートワークに描かれたケルベロスの如くNWOBHMの門に構える地獄の番犬になったような立ち位置で NWOBHMそして’80年代ヘヴィメタルの歴史を語るうえで、決して避けて通ることのできない歴史上の名盤になった。
荒削りながらもパンクロックとヘヴィメタル、ロックンロールという三つの頭をもたげて聴く者に迫ってくる。発売当時もメタルとパンク両界隈から支持されていたアルバムだった。
ただ多くのバンドで見られる悲劇だが、TANKもまたこのデビューアルバムが最高傑作となり、その後は紆余曲折の歴史を歩むことになるバンドであった。
ただこの時の彼等はそんなことはつゆ知らず、スリーピースでロックンロールをやるのに理屈はいらないと云わんばかりに、時にゆったりと時に速く縦横無尽に弾きまくり唄い吠えている。
それで十分じゃないか。
Origin : | United Kingdom |
Released : | 1982. 3 |
Label : | Kamaflage (UK), Attic (Canada) |
Producer : | ‘Fast’ Eddie Clark (from Motörhead) |
Studios : | Ramport Studios |
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