メタルゴッド爆誕
#0016
ヘヴィメタルと聴いて多くの人が想像するのがトゲトゲの金属製の鋲を打った黒いレザーを纏い、轟音でギターを掻き鳴らしながら高音でシャウトする、といったステレオタイプではないだろうか?
そんな一般的ヘヴィメタルのビジュアルイメージを確立したのがこの JUDAS PRIEST で、それはこの 5th アルバムの頃からだと云われている。ジャケットデザインにもその片鱗がうかがわれる。

本国イギリスでは『Killing Machine』(邦題も殺人機械)としてリリースされたが、US盤発売レーベルからはNGをくらってM-4.『Hell Bent for Leather』のタイトルに変更されてフリートウッド・マックの初期曲カバー M-7. ”The Green Manalishi (With the Two Pronged Crown)” が追加収録された。
(しかもこれが名曲)
2001年のリマスターCDにはボーナストラックが3曲(US盤は2曲)が追加されていた。さらに2010年にはオーディオマニア向けレーベルAudio Fidelityから『Hell Bent for Leather』のタイトルで24Kゴールドディスクが発売されて管理人もこのCDを購入している。こちらはボーナストラックなし。

もともとJUDAS PRIESTはハードロック寄りのプログレッシブ指向が垣間見えていたが、このアルバムあたりから所謂ヘヴィメタル的な傾向とアリーナロックへの指向が強くなっていく。そのためアメリカ市場を意識した M-2.”Take On The World”のようなポップな曲収録されていて彼等にとって転機でもあり過渡期を感じさせる面白いアルバムに仕上がっている。
Side-A. | |
M-1. | Delivering the Gods |
M-2. | Rock Forever |
M-3. | Evening Star |
M-4. | Hell Bent For Leather |
M-5. | Take On The World |
Side-B. | |
M-6. | Burnin’ Up |
M-7. | The Green Manalishi (With the Two-Pronged Crown)1 |
M-8. | Killing Machie |
M-9. | Running Wild |
M-10. | Before the Dawn |
M-11. | Evil Fantasies |
- US盤『Hell Bent For Leather』リリースで追加 ↩︎
ステージの最後にヴォーカルのロブ・ハルフォードがどでかいハーレーダビッドソンに跨がって登場するというお決まりのステージ演出がはじまったのもこの頃。”メタルゴッド”という彼等の二つ名はアメリカ進出が成功した 6th『British Steel』の収録曲に由来するが、ヘヴィメタルのイメージを確立したのはこの5thアルバムだったのだろう。
逆に JUDAS PRIESTといえばメタルゴッドという呼び名から入った若いメタルキッズには、彼等の暗い複雑な曲構成が楽しめる初期品群4th以前の作品を是非聴き比べしてみて欲しい。
Origin : | Birmingham, Endland, U.K. ![]() |
Released : | 1978. 11 |
Label : | Columbia |
Producer : | Judas Priest, James Guthrie |