あんなに一緒だったのに
#0034
一昔前はアニメ主題歌を唄う実力派の歌手は業界で大変重宝されて多くの曲を録音することになったが、近年ではアニソン界隈に留まらず広く活躍するアーティストが増えてきたように思う。
See-Saw はヴォーカルの石川千亜紀(現在は智晶)とキーボードの梶浦由記からなるユニットだが、もともとは高校の部活動で石川の姉とベースの西岡由紀子が結成した「15 SAND(いちごさんど)」という6人編成のガールズバンドがルーツになっている。このバンドは大学時代・OL生活と並行してライブやコンテストで活動を続けプロデビューの話もあったそうだが、6人それぞれの方向性の違いなどからバンドでのデビューを断念。Vo.石川,Key.梶浦,B.西岡の3人ユニット See-Saw として1993年デビューに至った。
1994年ベースの西岡が作家活動に専念するために脱退。現在の2人ユニット体制で石川が作詞,梶浦が作曲・編曲・一部の作詞を手がける形となった。デビュー直後からそれぞれのソロ活動が増えたため、See-Sawとしての活動は一時期停滞するが、2001年に梶浦が挿入曲を手がけたテレビアニメ『NOIR(ノワール)』挿入歌 ”Indio”(アルバムラストを飾るM-13に収録)のヴォーカルとして、石川を呼んだことがきっかけとなってユニットとしての活動が再開される。
HMV&BOOKS online See-Saw / Dream Fieldその後、2002年のテレビアニメ『.hack//sign』OPテーマ曲 M-9.”Obsession” がシングルカット(C/W には M-12. “優しい夜明け”)されるなどしたことで、アニメファンやアニソンファンの間で注目されるようになり、同年秋のテレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』EDテーマ M-5. ”あんなに一緒だったのに” の大ヒットによりアニメファンならずJ-POPファンにも広く名前を知られるようになった。
このナンバーはオリコン初登場5位となったあとも29回にわたりチャートに登場するなど、その後も長く愛されるアニソン界隈で云うところの「神曲」のひとつとなっている。
(2024/12/16まで期間限定)で公開中の『機動戦士ガンダムSEED』エンディングテーマ
この2003年に発売された『Dream Field』はそんな彼女たちの珠玉の楽曲が収録されたアルバムで、ネオ演歌といえるようなパワフルな歌唱を聴かせる M-2.”黄昏の海” や、大人の爽やかなガールズPOPに仕上がっている M-4. “Emerald Green”(テレビアニメ『.hack//黄昏の腕輪伝説』ED)など2人の幅広い音楽性や表現力を堪能できる一枚となっている。なおこのアルバムと同時に『Early Best』というタイトルで、初期の曲を集約したベストアルバムも同時に発売しており、当時のヒット曲を集約したこのオリジナルアルバムと併せ、See-Saw としてはひとつの節目となる年になった。
その後、機動戦士ガンダムSEEDの続編にあたる『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のEDテーマ ”君は僕に似ている”をリリースしてオリコンチャート4位を獲得するなど勢いは衰えることがなかったが、2006年に入ってユニットとしての活動を停止。それぞれのソロ活動を展開している。
なおこの時期、ソロ石川智晶名義として3枚目となるシングル ”アンインストール” が2007年にリリースされているが、この曲もいわゆる「神曲」なので、是非聴いてみてほしい。石川智晶の素晴らしく透明感のある歌声が聴ける。管理人垂涎の1曲だ。
また梶浦由記はソロプロジェクト FictionJunction にヴォーカリスト YUUKA として南里侑香を迎え FictionJunction YUUKA としてこの時期から活動の幅を広げていく。
それぞれのソロ活動が活発になる一方、以降はなかなか2人での作品発表やライブ活動はなくなってしまう。
そのため2019年の所属レーベル Fring Dog 10周年フェスに突然登場した2人が「あんなに一緒だったのに」をサプライズで歌唱したことは驚きだった。
さらにその年の12月には See-Saw としての単独ライブを開催することを発表。このライブは See-Saw として実に17年ぶりのライブとなり「奇跡のライブ」と呼ばれるほど当時のファンは歓喜。国際フォーラムAホールだったということもありソールドアウトとなった。
そして2025年公開予定の映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』で、See-Saw の新曲 ”去り際のロマンス” がはそのエンディングテーマに決定している。これは実に19年ぶりとなる See-Saw の新曲であり、管理人もいまから2025年1月24日のリリースを楽しみにしている。
Origin : | Tokyo, Japan |
Released : | 2003. 2. 21 |
Label : | ビクターエンタテイメント |