捨てる石あれば拾う石あり
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渡辺プロダクションのオーディションに合格しビクター音楽産業からバンドでレコードデビューを果たしたもののヒット曲を生み出すことなく解散。その後エピックソニーのディレクタに拾われて契約ミュージシャンとして再出発。沢田研二や中森明菜に楽曲提供やプロデュースを行って徐々に頭角を現す。
やがて大沢誉志幸名義で(本名は大澤)ソロとして再デビューを果たし、このデビューアルバム CONFUSION に収録された”僕は途方に暮れる”のヒットをきっかけに、その後の”ゴーゴーヘブン”,”君の住む街角”といったヒット作品の輩出により一躍レーベルを代表するミュージシャンとなった。

本アルバム作品に参加しているミュージシャンは名だたる面子で、あのエイドリアン・ブリューやトニー・レヴィン(共にKING CRIMSON)、富樫春生や松武秀樹などが参加している。
ブラックミュージックの香りを感じる大沢の楽曲に、80年代を代表するような印象的なフレーズのシンセサイザーとリズムマシン、往年のシティポップを彷彿とさせるカッティングギターやベーストラックを押し出したサウンドと大沢のハスキーボイスを絡めて洗練されたミックスで仕上げている。当時まだ日本の音楽会では殆ど聴いたことのないような、都会的で洗練された新しさを感じる上質で本格的な80年代ロック/ポップス作品となった。少しばかり早すぎたJ-POP草創期に忽然と現れた作品と云っても良いかもしれない。
このサウンドプロダクションやアレンジはいま改めて聴き直しても十分に鮮烈と感じることができる。本作はCDではなくLPレコードで所有しているが未だにターンテーブルにのせる機会が少なくない。
大沢誉志幸=作曲(作詞),銀色夏生=作詞,大村雅朗=編曲 という鉄壁のトリオで製作されたアルバムは本作が最後となったのは本当に惜しまれる。
Origin : | Tokyo, Japan ![]() |
Released : | 1984.7.10 |
Label : | Epicソニー |
Studio : | アルファスタジオ, the Power Station |
Producer : | 木崎賢治,小林和之 |